保健師

【こんな理由は危険】看護師から保健師への転職理由について

この記事を読んでいる方は、現在看護師として働いていて、保健師への転職を考えている方ではないでしょうか。

その中にはもしかしたらこのようなイメージを持たれている方もいるかもしれません。

保健師の方がラクそう・・・

人間関係が良さそう・・・

そんなイメージを持たれている方はいらっしゃいませんか。

そんなイメージを持って実際に働いてみると、

「こんなはずじゃなかった・・・」

とギャップに苦しむことになるかもしれません。

せっかく転職したのに、後悔してしまうのは避けたいですよね。

そんな方のために、私が感じた「こんな転職理由は危険」なものを紹介していきたいと思います。

こんな転職理由は危険

仕事がラクそう

先に言っておくと、仕事内容自体は決して楽なものではありません。

仕事の幅も広いですし、看護師のように「これをやったら1日終わり」という明確なゴールみたいなものはありません。

日本は少子高齢化で高齢者の医療費がどんどん膨らんでいっています。

そこで国は、もっと予防に力を入れようと、保健師に求められる事をどんどん増やしているように思います。

最近ではコロナウイルスの対応もありますよね。

仕事の幅や量だけがどんどん増えている感じです。

しかし、病棟の中を走り回っている看護師の頃と比べると、体を使う仕事は少なく、デスクワークも多いので体は楽だと思います。

看護師のように毎日「患者さんの命に関わる」というプレッシャーを感じることもありません。

土日休み・定時で帰れる

基本的にカレンダー通りの勤務なのですが、保健師は土日に研修があることもしばしば。

私の勤めていた所では月に1日〜2日研修がありました。(ZOOMを使って、午前中だけの場合もあります)

私の働いていた所では、先輩は平日夜10時まで仕事をし、土日も出てきて仕事をしている方もいました。

このままでは体を壊すんじゃないか、と心配になるほどでした。

その先輩が仕事が遅いとか、そういう理由ではなくて保健師の業務量が多いという理由からでした。

ちなみに私が勤めていた所は、あらかじめ申請しておかなければ残業代は出ませんでした。

報告書の提出が間に合わない為日曜日に出勤し、残業申請したことがあったのですが「それは残業申請するべきではない」と保健師の上司から怒られたこともありました。

業務時間内に終わらせられなかった私の責任だと言われ、その時は私がいけないのかなぁと悲しい気持ちになりました。

公務員だから給料がいい

公務員だから給料がいいと思われていますが、これについての答えは「一概には言えない」です。

地域によって違いますが、私が勤めていたところは、一般事務職と同じ扱いの給料で、資格手当がついていませんでした。

私は以前大学病院の看護師をしていたのですが、その病院は独立行政法人で文部科学省職員の扱いでした。

そこでは国家公務員医療職俸給表(三)が適応されました。

大卒の看護師だったので、俸給表の2級9号から始まりました。

しかし、私の採用された自治体の保健師は行政職俸給表(一)が適応されます。

自治体によって違うのですが、1級21号か25号が適応されることが多いように思います。

医療職俸給表(三)2級9号は209,800円、

行政職俸給表(一)1級21号は171,700円、25号は182,200円と職種の違いにより、適応される俸給表が異なり約3〜4万円の差が発生するのです。この影響があって、私の給料は看護師に比べて大幅に下がりました。

基本給だけではありません。看護師には夜勤手当、土日祝日に出勤すると休日出勤手当、がありました。

しかし行政職保健師には基本給に通勤手当しかないのです。

なんだか行政職保健師の方が圧倒的に給料が低いように思えますが、勤続年数が多くなるほど給料の格差はなくなり、やがて行政職保健師の方が手取りが多くなります。

その理由は、一つは、看護師の医療職俸給表(三)は毎年の昇給額が平均して4000〜5000円程度に対して、保健師の行政職俸給表(一)は毎年の昇給額が5000〜7000円となっているのです。

また、看護師の医療職俸給表(三)は昇格する機会が少ないのです。

昇格すると基本給が10000円以上増えます。また、毎年の昇給額も5000〜7000円と増えるのです。

昇格の条件は医療職俸給表(三)だと、副師長相当の職務に値するなどハードルが高いのです。

副師長になると役職手当て基本給の5%もらえるのですが、副師長まで出世するには病棟で働く看護師に対してポストが少ないので、ほんの一握りの人しか役職手当てはもらえないのです。

これに対して、行政職の保健師は特段何の条件もなく年功序列で昇格します。

看護師と比較して昇格の機会が多いのです。昇格時に基本給が増えるのと、毎年の昇給額の差で次第に行政職保健師の方が給料が多くなっていきます。

また、ポストが空き次第年功序列で役職になります。

看護師と比較して職員数に対してポストはとても多いし、ハードルが低いのです。

こうした待遇の違いにより、勤続20〜25年程度で公務員看護師よりも行政職保健師の方が給料が多くなっているように思います。

なので若い時は、看護師より給料は低いですが、勤続年数が長くなれば行政保健師の方が給料がよくなる傾向がります。

人間関係が良さそう

人間関係って、働く上で超・超重要ですよね!

保健師さんって優しい人が多いイメージがあるから、人間関係も良さそうだよねって言われるんですが、それは本当に職場によると感じます。

病院で保健師をしている時は人間関係がよく、働きやすかったのですが、行政保健師として入った職場は人間関係がよくありませんでした。

以前一緒に働いていた方で、違う県で保健師をしている人に相談したところ、その方も「本当に場所によって全然違う」と言われていました。

機嫌がいい時と悪い時の差がある上司だったり、辛いことがあっても相談できる人がいないのは辛いですよね。

行政保健師はデスクワークも多いので、同じ空間にいる時間が長いです。

市のような大きい規模のところだと、3年くらいで部署の移動があるかと思いますが、保健師の数が少ないところは移動がなく、人間関係が閉鎖的な雰囲気であることが多いです。

合わない上司の方がいても、定年するまでずっと一緒ということも考えられます。

どこの職場でも言えることですが、保健師だからと言って必ずしも人間関係がいいとは限りません。

イメージと違う

私が行政保健師として働き始めて間もない頃、先輩保健師さんがあるものを見せてくれました。

それは保健師の数が書かれているグラフや表でした。

たくさんの表がある中に離職者数がありました。

具体的な数ははっきりと覚えていませんが、離職者数は右肩上がりになっていました。

「行政保健師の離職率は意外と高いのよ。思っていたのと違う、と言って辞めちゃうんだって」と言っていました。

それを聞いた私は、信じられない気持ちでいっぱいで「せっかく保健師になったのに辞めちゃうなんてもったいないな」と思っていました。

しかし実際働いてみると、私も「なんか違う」と思うようになりました。

今思うと、入職して間もない頃に「よし、頑張るぞー!」となっている私に、先輩がなぜそれを見せたのかなぁと謎に思います。

私も3年で行政保健師を辞めてしまったので、そのグラフの中に入ることになってしまったなぁと今になって思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

せっかく公務員試験に合格して保健師になれたのに「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔したくないですよね。

保健師の仕事って学校では習いますが、イメージ湧きにくいと思います。

その分ギャップを感じやすい職業なのかもしれませんね。

なので今保健師への転職を考えている人には、私のようになって欲しくないなぁと思います。

この記事が少しでも参考になると嬉しいです。

おしまい。